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iPhoneアプリって結局儲かるの?

このレポートは2008年12月時点のものです。

web屋が自力でコンテンツホルダーになれるのか?という実験で始まったiPhoneアプリ開発。
公約どおり他のFlasherと実験結果を共有をば。



10月20〜12月20までのダウンロード数

有料アプリ

無料アプリ

以下、考察です。



自分の成績について
7/13〜10/20までの先行者利益を取り損ねて、後発エントリーした割には結構頑張れたかな?という印象です。

ただ一点、CameraBagよりさきに提出したのに、CameraBagの2ヶ月後発売というのだけが悔しい。これさえなければ世界初のiPhoneトイカメラとして、家の一件ぐらい立っていたかもしれなかったのですが・・・

国内では頑張れました。買っていただいた皆様、宣伝していただいた皆様、本当に多謝です。

国外では香港以外、はなから勝負になりませんでした。ただFlickr様のお陰で1日に80-100個ぐらいコンスタントに売れてはいるので、地道に海外のシェアは増やしつつあります。



iPhoneアプリは儲かるのか?
結論としては、個人でやるには勝負の目はある一方、企業でやるなばら国際展開を狙えないのならお金をドブに捨てるだけ、という印象です。

たとえば115円域(80円収入)のアプリは、仮に1万本売れても利益は80万円。国内のiPhoneを40万台と仮定しても、リーチ率2.5%の大ヒット商品を作ってやっとその程度の収入です。人月で1人アサインしたらそれで終了ですね。感覚的にはトップ10ランキングに2週間張り付いてフェードアウトするアプリが、だいたい国内のみで1万本セールスと考えていいと思います。

ちなみに国内有料1位をとって1日800個。10位で150個ほどでした(僕がランキングにいた頃は)。

ここからさらに資料代、広告費、税金他がさっ引かれます。僕は月に3万円近くiPhoneアプリ買ってるので、そういうコストがさらに利益を圧迫したりします。

実際ランキングを観察してみると、それが達成できている企業アプリはほとんどありません。115〜230円域を国内で展開するぐらいなら、Flashでサイトを作る方が、よっぽど割がいいというのが印象でしょうか。月2500万とか2700万とかはファンタジーなので、真に受けて進出した企業は、まさにセカンドライフ状態で大赤字をぶっこいていると思います。

というか日本のAppStoreのトップは非常に政治的ですよね。あきらかに「常連企業が作ったアプリ」プロモート用の優先枠がある感があります。企業をつなぎ止める大人の事情なのはわかるのですが、ユーザーと開発者としては迷惑な限りです。個人が作って、大手の何倍も売り上げてる良作とかいっぱいあるのになぁ・・・という印象。



個人から見たiPhoneアプリ
国内個人プレイヤーとしては、僕は5〜10位ぐらいだと思います。IAMAS勢がトップをしめ、第二走者ぐらいのポジションですね。上記売り上げ、結構売れてると思う人もいるかもしれませんが、トップ10に入ってこの程度と見れば、iPhoneアプリだけで食える個人プレイヤーは国内に30人も存在できないのでは?という感じです。それくらい市場規模が小さい。

ToyCmeraの3週間以上トップ10に君臨するとか、60個以上文章レビューをもらうとかは、相対的にみてかなり難易度が高いと思うのですが、そこまでやってFlashサイト1個つくるのと大してかわらない程度です。

ちなみに僕の場合、fladdictが10万PV/月、amaznode他手持ちサイトで90万PV/月(非iPhone系)なので、自力で数十万PV程度のキャンペーンを行えるのがアドバンテージとなっているようです。それぐらいの武器があってやっと勝負になるという感じでしょうか。自前で広告能力のない企業、個人が頑張るのはかなり大変という印象です。

一方で作品発表の場として考えた場合のiPhoneはかなりよいです。 WEBで個人がFlash作品つくって3〜5万人にリーチするってのは、結構な難易度です。しかもトラフィックは同業者ばっか。

一方この閲覧数の達成は、iPhoneの無料アプリとして考えるならば、そこまで難しくない印象です。新技術やサービス、コンセプトの発表の場としてのiPhoneアプリというのは面白い選択肢かもしれません。この辺は、あとで広告としてのiPhoneの考察でもう少しのべます。



国内市場、国外市場について
感触としてはUS市場は、日本の3倍〜5倍程度の規模があるのではないか? と睨んでますが、まったく売れません。残念ながら現状ではリーチのしようがない。ここをどう押さえるかが、今後のiPhoneアプリの最大の課題でしょう。

特にUSランキングは先行者利益が顕著にあります。9月以降デビューの日本人プレイヤーで国際ランカーが数えるほどなことからも、この最初の2ヶ月の重要さがわかります。

これは市場規模が大きすぎる為に、キラーとなるiPhoneニュースサイトやブログが存在しないことが原因と思われます。その為、ユーザーが購入の参考にするメイン選択肢が既存のランキングのみということになり、ランキング内とランキング外のアプリの販売数に顕著な差が生まれています。

個人的には、まず厳選した少数でコンランショップやMoma Selectionのような、ブランドを作ってトラフィックと広告、プレスリリースを束ねるしかないのかな?という印象です。

一人勝ちとかノウハウの囲い込みとか、アホなこと考える前に、まずみなで協力してパイを巨大化しないとダメなんじゃないでしょうか。



広告としてのiPhoneアプリ
おそらく僕らがもっとも注目すべき点はこの可能性じゃないかなと思います。

例えば100万円の予算で無料アプリを作って、5万人に配布できた場合、カスタマー1人あたりの広告コストは20円ということになります。

ユーザーにアプリケーションを1つインストールさせるコストが20円と考えると、これは下手なキャンペーンサイトよりも遥かに費用対効果が高い可能性があります。特にアプリから直接購買につなげることができるならば。

広告としての無料アプリという分野は、2009年ぐらいから2〜3年かけて、広告戦略のなかで大きな要素を締めていくと思います。なので可能性はもっと模索していくべきでしょう。傍観してサイバー広告がWEB屋の手を離れるのが一番痛いところだと思います。



WEB屋にむけて
ぶっちゃけWEB屋は、iPhoneアプリのプレイヤーとしては非常に有利な立場に立っています。

1つは多くのデスクトップ出身の開発者は、WEBと連動するノウハウを技術レベル以上では持っていないことが原因です。

WEB屋は自前でCGMサービス作ったり、連動コンテンツを作れるという意味では強いと思います。例えば超ヒットの代名詞としてあげられる、SonicLighterやOcarinaは、Flash実装によるWEBの広告コンテンツとして考えた場合、突き抜けた難易度じゃないと思います。Objective Cという壁さえなければ、Flash屋ならサーバやる人とチームで2人で2〜3週間程度で、リリースできるのではないでしょうか。

印象としては、国内のiPhoneアプリをやってる企業は自前で、WEBサービスを作って連動できるプレイヤーが1人もいないっぽいので、そこから切り込むならWEB屋はいっきにトッププレイヤーを狙えるのでは?と思います。

もう1つの理由は、WEB屋は自前で広告キャンペーンや、露出をコントロールできることですね。これは非常に大きいアドバンテージだと思います。

これからiPhoneやるFlasherはそこを狙って進出するといいのではないかと。

あとは学生。本業でやってる人がメインで手を出すにはリスクが高い分野ですが、学生ならばぜひとも挑戦すべきでしょう。学生にとっては100万円程度のお金でも、今後の人生を左右する大きな武器になりますし、学生のうちに1人で企画、開発、デザイン、配信から広告キャンペーンまでを手がけ、世界レベルで勝負できるというのは貴重な経験になると思うので。



以上のような感じで、とりいそぎ予告どおり情報公開を行いました。
3月の確定申告が終わった段階で、iPhoneの収入使って国際展開とか、個人で広告キャンペーンとか、海外巡業とか、いろいろ実験をしたいと思います。