2009 年 6 月 のアーカイブ

近況日記

2009 年 6 月 20 日 土曜日

昼夜逆転したまま、淡々と英語でサポートメールに返信していく作業は、頭がおかしくなりそうだ。眠い。
70000人が使うアプリを作るということは、70000人のユーザーに対してサポートの責任を持つということで、なんというか個人でやるスケールじゃないなぁと実感。

148appsのBest Camera App Ever 2008 にノミネートされながらも、Appleのブラックホール審査行きで死亡していたPanoが復活したっぽい。メデタイ。QuadCameraも復活できるといいな。

iPhone 3.0でカメラアプリが死にまくってる

2009 年 6 月 18 日 木曜日

先日iPhone OS3.0がリリースされましたが、かねてからの予想どおり、写真アプリで大虐殺が起こっている模様。 Panoや、SteadyCam等の名作カメラから、拙作のQuadCameraまで、定番ものが色々と死亡しており、Twitter / flickr のでiPhone写真家クラスターは徐々に悲鳴が。

いちおうToyCameraとOldCameraは無事ですが、QuadCameraとSepiaCameraが死亡。

一ヶ月月以上前に、QuadCameraのOS3.0版をAppleに提出済。。。 のはずが、リリースもリジェクトもないまま、放置されて今日を迎えています。他の人も大半が、対応したのに放置あるいは却下されてる模様。

もうすぐカメラが強化されたiPhone 3Gsがリリースされるのに、定番カメラアプリが大分死んでるという、にんともかんともな。 QuadCameraなんかは比較的ヤンチャなことしているアプリなので、消されて仕方がないといえばそうなのですが、OS3.0対応しないで消去じゃなくて、対応したのに放置、ってのが辛いところ。

カメラアプリがメインのユーザーは、iPhone OS3.0のインストールをもう少し様子見するほうがいいかと。ただいま海外の開発者とかと、iPhone OS3.0で死ぬカメラアプリの目録を作成中です。

僕のほうも、頑張ってなんとかQuadCamのアップデートを通すよう動力いたしますので、申し訳ございませんが、もうちょっとお待ちくださいませ。

ツリー構造のUNDOって格好良くね?

2009 年 6 月 18 日 木曜日

昨日からずーっと、既存のものよりもスマートなUndoが作れないか悩み中。

Undoって、push/popのスタック方式というか線形のヒストリだけど、ここってツリー構造のヒストリの前例ってあるのかな?? 基本的に現在いるブランチを前後移動させれば、フロントのUIはそのままで、ヒストリーをツリー構造で記録できると思うのだけど。でブランチに移動したい場合は拡張UIを使う感じ。

元Appleの増井さんが昔、「人生におけるキータイプの回数なんて、大した量じゃないんだから、全てのキータッチをログって保存しとけ」的なことを、言ったとか言わないとか。 ちょうどそんな感覚て、いまのマシンスペックなら全てのヒストリーをツリー構造で保存できるんじゃないかなと。

普通の作業じゃあツリー構造のUndoとか要らないと思うけど、プロトタイピングやデザインの場合、過去の全てのステップを横断的に移動できるってのは、とても価値があることだと思う。 単なるundoの枠を超えて、その人の行った思想と思索の全てを記録できるっていうのかな、保存しておけば資産としてものすごい意味があるデータになるんじゃないのか。

というようなのが、AodbeのIllustratorやOmniGraphに搭載されないかなぁ、と思う今日この頃。

Adobe製品買い直す決心をした

2009 年 6 月 17 日 水曜日

ずーと悩んでいたのだけど、ついに一代決心。
Adobe製品を全部MAC版で買い直して、完全MAC環境に移行する!!

さようならwindows

出版社って旗艦店って出さないのかな?

2009 年 6 月 17 日 水曜日

ファッションみたいに、出版社って旗艦店とか出さないのかなぁ。
たとえば新潮文庫の旗艦店なら、過去の絶版本まで在庫がある限りあらゆる新潮文庫の本が手に入るみたいな奴。

まぁ返品制度とか、色々あって難しい気はするんだけど、あったらいいなぁ。各社一社づつあったらカッコイイ。

流通とか小売りとか的には死活問題なので反発は無茶苦茶強いだろうけど、出版はどうしてもどっかのタイミングで、データでも本の現物でもオンラインの直通販売を主軸にしないと、今後ますます立ち行かなくなるんじゃないかと思うんだけどどうなんだろう。

テクノロジとかあまり重要じゃないって話補足

2009 年 6 月 15 日 月曜日

なんか前回のエントリが、iPhoneアプリにはグラフィック最高で実装ウンコみたいな話として、一部で解釈されてたみたいなのでちょっと補足。というかデザイン=絵みたいな考えが、Appleの言ってるデザインが重用視されてないって状況そのままだと思うのですが。

デザインの認識って、普通は↓みたいな意味だと思います。

コンセプトのレイヤー
グランドデザイン
何が問題で、何を解決すべきかを定めること。コンセプト。

デザイン
課題を達成、問題を解決する為の筋道を設計すること。

エンジニアリング
提案された解決方法を阻む障害を、テクノロジとスタイリングで実用可能にすること。

手段のレイヤー
テクノロジ
ベイズとか、物理シミュとか、超音波式タッチセンサーとかそういうの。

スタイリング
見た目を格好良くすること。床に反射させるとか、角丸をつけるとか、赤か青かとかそういうの。

Googleで検索して、世界で1番上にページがくるようになった

2009 年 6 月 15 日 月曜日

1年ほどSEO実験して、先日ようやっとワンワードで世界1位のページを作り出せた。

TiltShiftを英語で検索, 世界1位が自分のサイト
ToyCameraを英語で検索, 4位、6位、7位、8位が iPhone アプリの ToyCamera
Poseを英語で検索、6位が、Posemaniacs



今サンフランシスコで検索して上のような結果になった。日本でも同じ結果がでるのかな? 別にメタタグやキーワードを弄くるわけでも、HTMLを最適化するわけでもなく、ましてや禁じ手のバックリンクスパムもやってない。単にページぽーんと出して、俺SEO理論みたいなのに従って適当にやったらなんとかなった。

fladdict自身だって、トップページがfullフラッシュでブログへのリンクがないのに、最近までページランク6だったわけだし、既存のSEOって本当に意味があるのか、大分疑問だったりする。

TiltShift撮影のアプリは今artandmobile名義でiPhone版を出せば、安定して売れるんじゃないかと思うんですが、自分で実装するのがメンドクサイ今日この頃です。誰か作って。

<追記>

norio_nomura@fladdict 僕のところでは、1位はWikipediaのエントリなので、Googleがfladdictさん向けに最適化してると思うよ。

norioさんからTwitterきた。検索結果ってユーザー毎にカスタマイズされてるのかな???

なんかまだ4位みたい。サーバ毎に順位のぐらつきがあるのかな。 俺はやまった??? ハズカシす

iPhoneにおけるアプリ内課金は機能するのか??

2009 年 6 月 14 日 日曜日

WWDCで最も日本の開発者がエキサイトしていた機能は、アプリ内課金だったと思う。

ただ僕個人としては、少なくとも現状の仕様のままでは、iPhoneにおいてアプリ内課金が成功するのはとても難しいと思う。もっとも僕自身は携帯業界の人間ではないので、定額課金に関しての見通しが甘いのかもしれないが。

現状のアプリ内課金が、成功しない理由は軽く考えても10個以上挙げられるのだが、その中でもっとも最初にぶつかる壁はスケールの問題だ。



予想以上に小さいスケール
国内のiPhoneアプリ市場の場合、メディアに露出している企業レベルの有料アプリでも、そのDL数は好意的に見て平均2000〜5000本ぐらいだろうと思っている。ヒット作で1万本。大ヒット作で5万本。というのが自分の認識だ。

話をわかりやすくする為に、ここでは115円で1万本売り上げの、それなりにヒットしたアプリで考えてみる。

1万本のアプリでのアプリ内課金の売り上げ
1万本のヒットアプリを作った場合で、その10%が定額課金に参加したとしても、1000ユーザーにすぎない。これに対し、350円の月額課金であったところで、月にたった50万円程度の収入だ。このスケールで定期的にコンテンツのアップデートを要求される定額課金コンテンツが運営できるか?というと疑問がある。

また切り売りの有料機能追加の場合も、10%が350円のお金を払っても(個人的にはもの凄い好意的な見積もりだ)、単に売り上げが115万円から150万円に変わるだけだ。売り上げ30%増というと魅力的に聞こえるが、実際には国内スケールの限界がある以上、単なるプラス35万円というのが現実だろう。

この程度の売り上げの変化では、はじめから230円で完全版をリリースし、6500人のターゲットを見据えるほうがよいように思える。なぜならば115円域を購入するユーザーよりも、高額のアプリを購入するユーザーのほうが、基本的にリテラシーも高いし、アプリの内容を理解し吟味して購入するからだ。6500人の理解あるユーザーをサポートするほうが、1万人のユーザーを扱うより楽であるし、また追加アップデートに関わる金銭トラブルのリスクを抱え込まなくてすむ。

iModeの文法は通じるのか?
多分、定額課金による収入増加を見込んでいるプレイヤーの大半は、携帯市場とくに公式アプリ出身のプレイヤーが多いのではないかと思う。しかしiModeの場合、絶対的なユーザー数と、公式アプリという保護政策によって定額課金は機能していた感が強い(自分という部外者が観測にすぎないが)。 ユーザー数が少なく、そのうえに50000本のアプリが並列に展開される、AppStoreにおいて、従来の携帯アプリでのアプローチがそのまま成功するかどうかは大きな疑問だ。

従来の携帯アプリをそのままiPhoneに移植したプレイヤーがほぼ全員敗走している以上、携帯アプリの課金モデルをそのままiPhoneに翻訳したアプリを作っても、また惨敗するのではないか。すでに自前でコンテンツを持っている人が定額課金を考える場合は、もうちょっと楽だと思うけど、それでもペイするだけの初期ダウンロード数を確保できないのならば、やはり大した違いはでないのではないかと思う。

やっぱ国外出ようぜ
というように、スケール的な限界がある以上、アプリ内課金で利益を上げるには、前提として北米市場である程度のユーザーを確保しなければ話にならない。ところが、北米市場で2〜3万本以上売り上げた国産アプリなど、数えるほどしかない。つまり結論としては、アプリ内課金をやってる暇があったら、それ以前に海外で販売できる力をつけることに専念すべきではないかと思うのだ。

どうせ日本なんてあと10年ぐらいで二流〜三流国家に転落するのだから、体力のある今のうちに韓国とかフィンランドの国際展開のノウハウ盗んで頑張った方がいいんじゃないかと。国際展開、韓国やフィンランドにできて日本にできない理由もないんじゃないかな。

アプリケーションにおけるデザインの重要性

2009 年 6 月 12 日 金曜日

WWDC出てAppleの中の人や、成功したアプリの製作者が口をそろえて言うことは、「これからアプリはデザインがもっとも重要で、開発時間の大半をデザインに充てるべきだ」、ということだった。 1年ほど自分で製作してみた実感でも、テクノロジーはそれほど重要ではない印象。

いわゆるFlexとかRIA系の世界では、デザイナーのポジションはUI設計と切り離されて、単なるスキン屋に甘んじてることが多いとおもう。 しかしiPhone系だと、ぶっちゃけデザインがウンコだと、メディア露出だけで力技で殴り勝てるアプリじゃない限り、まず成功することはありえないと思う。

iPhoneは市場が小さいからまだ当面予算が低いのがアレだけど、最終的にはこういう生活に密着したアプリケーションは、通常のウェブサイトやアプリケーション以上に積極的にデザイナーが設計にコミットして、もっと単価要求すべきな気がする。

これはアプリケーションの熟成がそろそろ始まったのだと思う。コーディング自体はコンポーネントの組み合わせが主体の、作業としての側面が多くなり、ずば抜けたプログラムスキルとアプリの成功との間に、相関関係が見出しにくくなっているよう見える。そういう意味ではアプリケーション・デザインがより、プロダクトデザインに近づいたと思ってもいいのかもしれない。

もっともファッションやプロダクトデザインなどのリアルなデザインとの最大の違いは、やはり生産コスト、流通コスト、在庫という概念の有無が異なる為、単純に向こうの概念を輸入することはできないのだろう。

たとえば貴金属や毛皮などを用いて、単価をあげる大義名分を作ることで、利益率・デザイナーへの報酬を確保する、といったことがアプリケーションのデザインでは難しい。ファッションやプロダクトの人たちは数百年かけて、ブランドという概念をでっち上げて、100万円の低機能ペンが100円の高機能なペンが共存できる世界を作ったわけだけど、今後はアプリケーションもそっちを目指さないと厳しいんじゃないのかなぁと思う。

とりあえず当面は、デジタルは貧乏人のメディアという認識を、いかに払拭するかが急務になるのかな。それに失敗すると、すべてのアプリが115円の地獄が待ってる気がするんだぜ。

新しいiPhoneは何をもたらすのか?

2009 年 6 月 10 日 水曜日

ASCII.jp: 開発者が見る、ここがスゴいぞ新iPhone

WWDC基調講演をうけての新iPhoneについてのコメントを、ASCII.jpに寄稿いたしました。他の6人の識者の方々とは、僕だけちょっと注目点浮いてるwwwww。都市情報デザイン→工業デザイン→flashとか、バックグラウンドがヘンテコだからかな。 アプリ内課金は別に新しい概念でもないので、まったく萌えなかった。

以下 ASCII.jpの許可を得ての僕の寄稿文の転載と、字数的にASCIIに書けなかった、補足と今後の分析を少々。

————————————

注目ポイント: 外部機器との連携

 プッシュ通知機能やアプリ内課金も魅力ですが、iPhoneをいちばん面白くするのは外部デバイスとの連携が解禁されたことだと思います。

 iPhone OS 3.0では、Dockコネクタによる接続か、Bluetoothによって、外部のハードウェアとデータをやりとりできるようになります。この拡張は、 iPhoneを2種類の方向に劇的に進化させるでしょう。ひとつは、iPhoneの利便性をハードウェアが拡張する方向。もうひとつは、逆にiPhone があらゆるハードウェアを拡張する方向です。

 前者としては、iPhoneの持っていない機能、例えば温度や水圧の感知といった特殊なセンサーなども、今後はデバイスにより自由に拡張できるようになります。

 これはiPhoneの進化のコンセプトとして、とても優れていると思います。というのも、iPhone本体のシンプルさを保ちながら、病院やダイビングなど用途に応じて、iPhoneを高度にカスタマイズできるからです。例えば、赤外線を発するデバイスを追加するだけで、iPhoneが電化製品の大半を制御できる万能リモコンになるわけです。

 後者のハードウェアを拡張させるという点については、iPhoneの操作性と利便性があらゆるデバイスを拡張する、という考え方です。例えば予算の関係でCPUが足りないようなガジェットであっても、Bluetoothさえ積んでおけば、iPhoneのマシンリソースとして扱い、iPhone側で複雑な処理を行なって、その計算結果を受け取ることができます。

 安物の電子楽器とiPhoneを接続することで、扱える音色やエフェクトを大幅に拡張したり、録音/編集機能を追加することが可能になるわけです。今後の電子機器は、旧世代だったり低予算だったりで機能的に限界があっても、通信仕様さえ決めておけば、iPhone側でソフトウェア的に機能を拡張できるでしょう。これはとても面白いコンセプトだと思います。

 iPhoneと外部デバイスの通信は、電子機器にとって新しいコンセプトをもたらすと思います。ハードウェアとソフトウェアがより分離し、Amazon APIのようなウェブサービスやマッシュアップといった概念が、デバイスレベルに降りてくるわけです。

 機能と設計をシンプルにし、仕様をしっかり公開さえすれば、電子機器はユーザーの用途に応じて無限のカスタマイズと進化ができる、というのはとても面白いと思います。このような概念が普及していくと、既存の家電が抱えていた問題点──アレもコレもと機能をゴテゴテと追加する風潮に一石が投じられるのではないかと思います。

————————————



追記/補足部分

僕のApple観、iPhone観というのはそれぞれ、4年前2年前に書いたエントリーから基本的にズレていない。 まぁ戦術レベルのずれはあるけど、ありがたいことに大戦略レベルでの予想は1mmもずれないで当たった。 ようやっと数年前にしこんだエントリーに時代が追いついてきた。

しかしi-podもituneもインターネットの手前の、グーグルを介さない「あちら側」へ扉でとなりうる。そしてアップルはそのゲートウェイの使用を自分以外にの誰にも許可していない。「こちら側」にバイパスを設けつつ「あちら側」を支配する、それがアップルの戦略なのではないのかなと思う。via アップルの本質は「あちら側」ではないのか?

で結論としては、「iPhoneは携帯でも音楽プレイヤーでもない」という考えに帰結した。

タッチスクリーンという仕組みの本質は大画面の手段でも、カッコよさでもない。むしろUIとしては不便な部類に属するデバイスである。その唯一の利点は、あらゆるタイプのインターフェースを、1つのデバイスで実現できるということだ。 via iPhoneは携帯でも音楽プレイヤーでもないし、Appleは家電屋じゃあない


ここまでくれば、あとの未来もそれなりの確度で断言できるかと。「時代がマイノリティリポート系のUIと脳波系に進化しない」と仮定するならば、iPhoneの進化の選択肢はそう広くはない。

iPhone自体は時代に比べて比較的ロースペックというスタンスを保ちながら、IDと万能リモコン、万能ハブというポジションに専念するのではないかと思う。

iPhoneはあくまで入出力機器に徹し、複雑な処理はネットワークや最寄りのPCにリクエストを出して結果を受け取る。wifi圏内に適切な対応デバイスがあれば、一覧をダイナミックに取得しUIをロード、独立したデバイスとデバイスをシチュエーションにあわせて組み合わせて制御する、マッシュアップのハブみたいなものになっていくだろう、と考えている。

理詰めで考えると、ほかにiPhoneの落としどころってあまりないと思うんですが、どうなんでしょうね? 当たるかどうかは、また3〜4年後ぐらいに。